「まえがき」冒頭で、こんなクイズを引用しています。 まず、次のクイズを試してみてください。これは倫理性の高さを問うために、企業の採用 *(1)は注釈番号で、このクイズが Joyce Wycoff 氏の "Real Life Innovation"("Good Morning Thinkers!"、2004年)という文章からの引用であることを示しています。2004年にこの文章に出会い、ハッとさせられたのでメモしておきました。 ●ポール・スローン著 『イノベーション・シンキング』にも同じクイズが本書の出版後、似たようなクイズをポール・スローン氏の本で読んだ覚えがあるという感想をもらいました。調べてみたところ、『イノベーション・シンキング
『イノベーション・シンキング』の著作権表示によれば、原著は "The Leader's Guide to Lateral Thinking Skills: Powerful Problem-Solving Techniques to Ignite Your Team's Potential ●以前から流通していた。しかし "the origin" は突き止められずありました。今回調べた限りでは、Jim Ballard 著 "Mind Like Water: Keeping Your Balance in a Chaotic World Jim Ballard氏は2002年のこの著作で、このクイズは"a major company" の "a job application"で使われたと単数形で紹介しています。2003年のスローン氏の著作では、"at interviews"と複数形になっています。一つの企業の複数の面接という意味で "at interviews" という言葉を選んだのかもしれませんが、もし複数企業の面接で使われたという意味合いならば、2002年から2003年にかけて企業の採用面接でこのクイズが流行し、それをスローン氏が引用したのかもしれません。いずれにせよ、Jim Ballard氏の方が出典としては古いですね。 ではBallard氏が作者なのか。この書きっぷりからすると、そうではありません。かといって引用元も書かれていません。もしある企業の面接官が創作したものならば、引用元を明示できないのも無理はありません。その面接官も、昔から流通している「詠み人知らず」なクイズを改変して使ったのかもしれません。クイズの源流探しは、ここで打ち切りとしておきます。 ●追記(2009/7/27):映画『16ブロック』での引用2006年の映画『16ブロック』でも、ほぼ同じ内容のクイズが使われていました。問いかけに続けて「昔からある なぞなぞだ」と言っています。詳しくは「「嵐のバス停で誰を乗せるかクイズ」が映画でも:発想七日!:ITmedia オルタナティブ・ブログ」に書きました。 |
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